3.0
仏像写真の力を感じる展覧会
仏像写真を芸術の域にまで昇華させた写真家とその子の作品を中心に、仏像撮影専門の写真館の歩みを振り返る展覧会。
お寺や美術館で仏像を目にするのと違い、写真として特徴が輝くように切り取られていることで、とっつきにくい仏教美術の美しさがわかりやすい。ほっそりした指の美しさに人間らしい表情と、今まで気づかなかった細部の美しさや仏像の姿に出会える作品も。
今ほどカメラが便利ではない時代、目の前のこの1枚を撮影するのにどれだけ苦労しただろう。自然の光をうまく取り入れるのに苦戦しつつ、仏像の性格を見事に捉えた写真からは、当時の人の仏像イメージを変えたであろう力を感じました。
展覧会会場の近くには、東大寺や興福寺、奈良国立博物館と、写真ではなく実際に仏像を鑑賞できる場所がいくつもあります。併せて周るのも面白いと思います。