5.0
これからもモネの深堀りは続くかな
ゴールデンウィークでまもなく会期終了ということもあって、すごい人でしたが、覚悟して並びました。心が萎えそうになり、会場内もすごい人でゆったり見ることができませんでしたが、モネの作品の力というか、心の癒しになる絵だなと、来てほんとうによかったと思いました。
印象派以前の絵として紹介されていた1871年「ザーン川の岸辺の家々」水辺の表現は、印象派を思わせ、すでに芽吹いていたんだと感じさせます。
「クールブヴォワのセーヌ河岸」は構図が面白い。近景に木の枝が全面に張り出し、枝葉越しにセーヌ河の青、空の青が見え、そのコントラストがとても綺麗です。印象派らしく、筆跡が残る葉の描き方で、風の揺らめきを感じる激しさもあるなと思いながら下から上に目線を上げていくと、なんと空を背景にした葉の色が青での点描に!大胆な手法に驚きました。
エトルタのラ・マンヌポルトの2作品、1883年は激しい波しぶきをあげ、ドーム下の波打ち際に2人の人影が見え、そんなところにいると危ないよと声をかけたくなります。1886年はちょっと引いた構図で、海も穏やかで、人影は見えません。会場で小さな女の子が1883年は冬で、1886年は春だよと説明していて驚きました。あっているかどうかはわかりませんが、そう感じる感性がすごいなと思いました。
一番印象に残ったのは、ポーラ美術館の「ジヴェルニーの積みわら」でした。大原美術館の「積みわら」と並んで見ると、ポーラの方が強い日差しが燦燦と降り注いでとても明るい印象を受け、心を明るくしてくれる絵でした。大原の方は影がかかり、やわらなか光のこぼれ日が読書?をしている2人を覆い、さわやかな風を感じさせるエモい絵で、こちらの方が好きという方も多いのではないでしょうか。
最後は「睡蓮」コーナーで写真OKということもあって、混雑の中での撮影会、綺麗に撮るのは困難な状況でしたが、見返してみることができるので、写真はできるだけ取りたい派ですが、そうなると近づいて絵をじっくり鑑賞がむずかしくなり(写真の邪魔になるため)痛しかゆしですね。
数多くある睡蓮の中では、ハッソ・プラットナー・コレクションの「睡蓮の池」の緑が一番綺麗でした。大阪展のみの展示であった「藤の習作」、モネの「藤の花」ははじめてで、花の色である藤色が花びらよりも背景に多く使われている、まさに印象派の作品とい… Read More