4.0
キャプションなしは、作品の本質に迫るため?
展示方法が斬新で、作品の脇には小さな番号が印字されているのみで、タイトルや解説のキャプションが一切ありません。
番号を元に、作品リストを見ると、タイトルと作品の属性情報が書かれていて、ごく一部の作品のみ解説があります。
展示されている作品の番号は、昇順ではなく、かなり飛び飛びです。
そのため、作品リストのページを探して、めくったり、折り曲げたりして、結構ストレスがたまります。
せめて、展示順と作品番号を一致させて欲しいものです。
このような展示方法なのは、ブランクーシの作品がミニマル・アートと呼ばれるもので、装飾的なものを削ぎ落して本質に迫るものだからのようです。
タイトルも属性情報も解説も削ぎ落して、作品のみを鑑賞することを薦めているかのよう。
確かにそういう鑑賞方法もいいかなと思いつつも、思わず作品リストを見ちゃうんです。
ブランクーシの作品の方は、人間の頭部、胴体、そして魚、鳥などのフォルムを徹底的に単純化させて本質に迫ろうとするもので、強烈なインパクトがあります。
特に≪空間の鳥≫、≪雄鶏≫の造形は美しく、かっこいい。
写真を除くと、彫刻作品数はそれほど多くありませんが、集めることが困難で、こうした展覧会を開くことも珍しいとのことなので、貴重な場になっています。